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 パシュミナとは?
パシュミナが大流行してから、名前が一人歩きして、現在では、ストール=パシュミナ、という風に、
ストールの名称とまでその意味が変化してきた、パシュミナ。
パシュミナとは、一体なんでしょう?
一昨年、インドの工場にバイヤーごと騙された経験から、色々調べて、パシュミナとは何なのか、
また、日本特有の法律的な問題について、わかったことをココに明記します。
その1、パシュミナの正体
実は、「パシュミナとはなんぞや説」は色々あるのです。しかし、獣毛検査協会からヒントをもらいました。
カシミヤの仲間で、その名を「パシュン」といいます。
これは、インド良品さんのサイトにも書かれている、「パシュン」と同じものと思われます。
ヒマラヤの高知に生息する希少な動物で、その毛そのものも少ない上に、毛が弱くて、機械織りできません。
よって、 現地インドのカシミール地方では、昔も今も、手織りで作られているそうです。
雲のように軽く、柔らかく、弱くて手で作るしかないので、制作に時間がかかるが、素晴らしいもの。
これが、そもそもの、パシュミナ。 現在の、パシュミナ・ストールの名前の由来と思われます。
これは、あくまでも、名前のルーツのお話です。
つまり、名前はこのあと、一人歩きを始めるのです。
その2、パシュミナ○○%と表示できない日本の法律

ところで、このパシュミナ。日本では、法律によって、獣毛として、認められていません

■財団法人 毛製品検査協会

http://www.jwif.org/cashmere.html

ーええ?と思うかもしれませんが、嘘のような本当の話です。
そして、法律的にも、素材として認められていないパシュミナは、販売する際の素材表示に書くことが
認められていません。

■経済産業省の頁

http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/hinpyo/e_senni/senni_rei.htm#seni2

■家庭用品品質表示法

http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/hinpyo/index.htm

現行の日本の法律では、「カシミヤ○○%」と表示されるのが、正しいのです。
もし、パシュンの毛を使っていたとしても、法律的にはそうなります。
法律の方が、追いついていないという点が大きな問題です。
日本の法律においては、パシュミナは居ない動物であり、検査の場合その毛は、「カシミヤ」に分類されます。

その3、パシュンのパシュミナはどこへ?
というわけで、世界的にその名前をとどろかせたパシュミナですが、本物は手に入りにくい。
インド人も、多くのインド人が本物を知らないために、(そもそも彼らは出身地から出ないしね。)パシュンのパシュミナの見分けが出来るのは、カシミール出身のインド人だけだと言われています。

デリーあたりでは偽物がでまわりすぎて、今では偽物のクオリティを本物のパシュミナと勘違いして覚え、仕入れるインド人が増えているとか。
私が知る限り、パシュンの毛を使ったピュア・パシュミナを間違いなく販売しているのは、日本国内では、「インド良品」さんだけですね。
ここは、製造の段階からオーナーが現地で厳しくチェックしており、素材に大変詳しいです。
何が手織りで、何が機械織りかも、よくわかっていて、とても信用できます。
その4、検査結果を掲げているパシュミナ・ストールの場合は?
これは、日本特有の事情と先ほどお話しましたが、パシュミナの毛というものが日本では法的に存在しない、
ゆえに、証明書は、「カシミヤ」である事を証明することになります。
一般的に、パシュミナは、カシミヤ山羊の一種、ということになってるためです。
この点は、検査協会も悩んでるそうですが、現状と、法律に食い違いが生じているので、精一杯の出し方、ってとこですね。
また、話を更にややこしくしているのが、「商品名」というもので、これは自由なので、販売のときに、「パシュミナです」 と言っても、これがまた、違法とはいえない、という事なのです。
でも、パシュミナを、日本人は一般に、素材だと思ってるわけで、商品名だと思ってるわけじゃないですから、
ここにも法律の問題が発生してると思うんです、私は。
「ストール」って言ったら、それは商品名であって、素材じゃないってわかってるけど、「パシュミナです」といって、それを素材と思わない日本人って、殆ど居ないでしょう?みんな、素材だと思ってるでしょう?

で、実際、現実には、素材なんですが、日本においては、法的に、素材として認められてない、というこの矛盾!

素材表記は当然、「カシミヤ」になります。「カシミヤ100%」というタグを見て、「パシュミナが入ってないじゃん!」と怒らないで下さい。
「パシュミナ100%」という素材表記したら、違法なので、仕方無いのです。
(でもそんな心配しなくても、パシュミナ100%なんて、実際のところ、どうせ入ってません。)
その5、国内での検査

輸入物の場合、原産国の品質表示ほど宛てにならないものはありません。
私の知人のインド人は、入荷する時の税金を安くしたいがために、シルクの服をコンテナいっぱい分、レーヨンという表示で入荷した事があります。シルクと化繊では、税金が全然違うためです。
で、本題ですが、検査機関はいくつかありますが、私のおすすめは、検査機関が短く値段も手ごろなところ。

■財団法人 毛製品検査協会

http://www.jwif.org/

このサイトに、申込み用紙のダウンロード入り口があるので、

■ダウンロード入り口

http://www.jwif.org/iraisho-dl.html

プリントアウトして書き込み、検査したい商品を一緒に窓口に持ち込むか、郵送します。

■事業所窓口

http://www.jwif.org/jigyousyo.php

そうすると、後日、口座の入金案内がきます。(ファックスか郵送で)

一件あたり、1万6千円程度です。これは、毛の数によるので、○○100%、ならそれ以上かかりませんが、
繊維の種類が増えると、1繊維あたり、+数千円となります。たしか、千円から3千円位の幅だったかな?
検査にかかる期間は、1週間〜10日程度です。(混雑状況にもよります)


その6、結論
つまり、日本においては、「パシュミナ」という素材の証明は出来ない、というのがオチです。
パシュミナの毛の繊維は、実際には、カシミヤより細いそうです。しかし、それを証明することは、日本では、
できないのです。法的にはね!
実際に検査の現場では、毛が違うな、とは、思ってるそうですよ。
ですから将来的に、法整備が整い、パシュミナが素材として定義づけされると、カシミヤで証明とってたのが、一斉にこれまた無効になるというわけですね。
それが、何年後なのかは、わかりません。
また、法律はさておき、本物が欲しいと思うのであれば、それなりの探し方がある、という事です。
その7、余談
パシュミナの不幸の始まりの一つに、繊維が、パシュミナだけだと弱い、という事があったと思います。
ですから、シルクなどと混ぜて、強度と光沢を出す、というのは良いアイデアだったのですが、その分、
あとから偽物が出回りやすくなる原因になったのではないでしょうか?
また、パシュミナが大量生産できない理由についても、極寒の環境でないと、毛質が変わってしまうという問題があったそうです。昔、羊の毛が確かそうだったと思いますが、環境がかわると、体質が結構簡単に変わってしまうんですよね。特に毛とかは、敏感にできてるみたいです。

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